140字からの逸脱偏倚

Twitterじゃ書ききれない、VOCALOID関連あれこれ

週刊このボカロPがすごい!創刊号は すなめりさん特集!

毎号ついてくるパーツ……はございません(;´Д`)

週刊といいつつ不定期更新になりそうですが、のんびり新企画やってみます。創刊号で廃刊なんてことにはしないように、と。

 

この辺境ブログに迷い込んだ人の中には、すでにご存知のかたも多いかと思いますが、ヒッキーPとスPというボカロP二人が行っている、ボカロ系の情報を扱ったりする ”ネットラジオ”「ガウンターカルチャー」というYou Tube配信されている番組があります。だいたい毎週土曜の夜、2時間くらい。生放送時はチャットでコメントを送ることもできます。もし聞き逃してもアーカイブが残りますので、いつでもチェックすることができます。

www.youtube.com

私もその放送を楽しみにしているリスナーのひとりです。

音楽に関して知らないことが多いので放送中で気になった話題に関して、あとで調べものをすることもしばしば。個人用メモとしてリンク集と備忘録という体裁で残していた文章を改稿して、記事として公開してみることにします。

一応、ガウンターカルチャーの放送と併せて読むためのサブテキストを意識していますが、配信を聞く時間を取れないかた用にも、これ単独でも楽しめるような記事を目指します。

今回はすなめりさんゲスト回のまとめ&補足をしながら、その魅力をお伝えできればいいな、と思います。

作品はニコニコ動画のリンクを貼っていきますが、You Tubeでも公開されていますので、お好みでどうぞ。

www.youtube.com

 

すなめりさんの動画を一度も見たことないというかたは、これを見ていただければ、その工夫を凝らした洒落っ気が充分感じられるだろうという一作をぺたり。

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※お使いのPCは正常ですとは (オツカイノピーシーハセイジョウデスとは) [単語記事] - ニコニコ大百科のタグがついてるとおり、初見でこれを見た人はびっくりするんじゃないかな。

他の作品も気になる!ってかたは、そのままマイリスト巡りをしていただくもよし、下記の文章で紹介していく作品を見ていくもよし、です。

ぜひ動画をじっくりとご覧になってくださいな。

投稿動画 by sunameri - ニコニコ動画

 

 ガウンターカルチャー本編(2018/09/01配信)

※トラブルにより開始時間が遅れたので、スタートした07:15に合わせたリンクを貼っておきます。

【ゲスト : すなめり】ガウンターカルチャー 第14回 - YouTube

ヒッキーP「ゲストは”すなめり”さんです。今、この方がヒットしていないことはボカロ界の損失です!ぜひ知りましょう。」

配信前のヒッキーPのTwitter上の すなめりさんの紹介文

 

以下、 〈〉で囲んだ部分は私の感想やツッコミです。

〈私からもすなめりさんの魅力を語るならば、「遊び心」が感じられるところかな、と。特に毎回さまざまな違った形で見せてくる動画表現がとても楽しい。それとたまにちょっとした「毒」が入ってるところもツボです。〉

 

タイムテーブルインデックス

【07:15】バタバタのスタート

 マイクトラブルで開始が遅れ、仕方なくヒッキーP抜きでスタート。

スPによる無茶振りな「自己PRを!」に対して、「すごい変な曲とか変な動画を主に作ってます」と返す、すなめりさん。

 

【10:55】ヒッキーP合流

いままでのガウンターカルチャーでは、ヒッキーPとすでに知り合いの人をゲストに招いていたが、すなめりさんとは初めて話すとのこと。ヒッキーPからのラブコールで実現したようです。

〈熱量が空回りしてる感が伝わってきますw〉

 

【16:50】すなめりさんの作品の魅力について

ヒッキーPによると、「骨格のしっかりしたポップスなんだけど、一曲一曲にすごくフックがある。かつ、歌詞に現れている死生観みたいなものが感じられる。それによるわびしい世界観ができている。動画がひとつひとつ凝っている。どうやって思いつくんだろうというアイディアと、手間が詰まってるところが魅力。これだけのものを作っているのに、あまり知られていなのが惜しいなという気持ちがある。」とのこと。

〈先程貼った「重たい回線」が現時点での最大のヒット作ですが、それでも2500再生に届いてないくらいなので、たしかにもっと認知されてほしい!〉

 

【21:10】VOCALOIDとの出会い、作曲活動のはじまりについて

初音ミクという名前は知っていたが、曲を聞くには至らないという時期が長かった。もともとピアノをやっていて、作曲欲はあったが行動には移してはいなかった。

ゲーム音楽が好きで、スクエア・エニックスが出しているトリビュートアルバムに参画しているsasakure.UKさんの曲を気に入り、その活動を調べるうちにVOCALOID楽曲を発表していたことを知った。それが契機となり、自分でもVOCALOIDを使ってオリジナル曲を作ってみようモチベーションができた。

sasakure.UK - Wikipedia

ささくれPとは (ササクレピーとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

SQ MUSIC - Wikipedia

 

〈すなめりさんのゲーム好きな感じは、チップチューンを主体とした曲が多いことや、動画演出からも伝わってきますね。特に「車」、「ゲームオーバーの先で」、「倦むなら」など。〉

 

【25:20】楽曲制作プロセスに関して

初投稿(2014年04月13日)から間を開けずにアルバムロスフェード動画(2014年04月23日)を投稿していますが、アルバム「デートコース」全曲を同時進行で並行して作っており、「遊園地」の時点で8割方できていたとのこと。

 

〈ここで、すなめりさんの初投稿作品を。〉

なかなか恋人が出来ないけど
のわり手足の指でも足りない程恋多き人っていますよね。
そんな人の歌です。

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 〈アルバム「デートコース」は、すなめり自身によるライナーノーツが書かれており、そちらの文章も楽しめますので、ぜひこのマイリストリンク先を見てほしいです。〉 

デートコース by sunameri - ニコニコ動画

 

ヒッキーPの褒め褒め「音の数が多くはないけど、無駄や過不足がまったくない、完成度のすごいめちゃくちゃ完成度が高いアルバム。すごいカッコよく、掘りどころがたくさんある。アレンジもしっかりポップスの形なのに、聞いてる側をあっと言わせるようなテンションを上げるような展開が一曲一曲に詰まっている。曲のカラーがそれぞれ違い、カラフルな感じがして本当に音楽面でみてもカッコいいアルバム。」との評に恐縮するすなめりさん(*´ω`*)

 

歌詞先行で曲作りをしており、「デートコース」というコンセプトを決めて歌詞を全曲分書いていった。歌詞に合わせた展開や曲調を思いついたらすぐ曲を作っていった。そのため、歌詞と曲調が連動したようなつくりになっている。

歌詞は自分の体験を入れてるわけではなく、創作で作っている。

 

【33:15】スPによる基本事項のテンプレ的な質問コーナー

すなめりさんがVOCALOID IA(イア)を使っている理由は、カゲロウプロジェクトなどで知られるじんさんなどで、聞き馴染みがあったから。

IA -ARIA ON THE PLANETES-とは (イアアリアオンザプラネテスとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

じん(自然の敵P)とは (ジンシゼンノテキピーとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

 

いまはお仕事が忙しくなってしまい、なかなか時間が取れないが、それでも2、3曲同時進行している。

いままで動画制作の経験はなかった。

DAWSONAR。動画はAviUtlを使用。

 

【39:45】動画制作について

〈ここで見てほしいのが番組内の話にも出ている「砂漠」。商業PV顔負けのクオリティ&アイディアの創造性!見ていてとても楽しいです。これを全部ひとりで作ってるなんて!〉

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出てくる文字は3Dプリンターなどではなく、通常プリンターの印刷を発泡スチロールに転写して手作業で地道に切り抜いてる。

文字と曲のタイミング合わせは、曲を流しながら何度も撮り直しをしたり、早回しなどを使って無理やり同期させた。いままでビデオカメラ撮影の経験もなかった。

 

【IA】公園【オリジナル】 - ニコニコ動画 では手書きアニメーション、【IA】車【オリジナル】 - ニコニコ動画 ではファミコンゲーム風と、それぞれ動画演出の動かしかたのタイプがまったく違ったものになっています。曲ごとの表現したいものに応じて違うことをしており、とてもワクワクさせられます。〉

 

【51:50】アルバム「デートコース」と「デートコース2」について

「デートコース」は曲の流れを意識して決めてた。

ヒッキーPは映画館の次に砂漠は行かないだろうwとツッコミつつ、「ホテル」で終わっているのがオチがついていていいとのこと。

bandcampであげられている2枚めのアルバム「デートコース2」では先にタイトルの順番をきめた。

ニコニコ動画であげられていない曲がたくさんあるので、こちらも要チェックです。〉

sunameri.bandcamp.com

こちらの曲順「ゆりかご」から「地獄」に行くという一種の悪意感があるのは、1枚めを踏襲してとのこと。

「デートコース2」は音の動きが派手になっている曲が多い印象、とヒッキーP。

こちらのアルバムではONE(オネ)という音声ソフトが使われいる。

ONE -ARIA ON THE PLANETES-とは (オネアリアオンザプラネテスとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

ONEは流暢に喋らせることができるので、ポエトリーリーディング曲もつくった。

当時聞いていた、小林大吾さんの影響もあるとのこと。

小林大吾 - YouTube

 

歌詞表記フォーマットが曲ごとに異なることに関して。歌詞を書く時点では音像は浮かんでいないが、いろんなタイプの歌詞を書くことで曲のバリエーションを出せるかな、と考えたとのこと。曰く、文字が音を引っ張ってきてくれる。〈かっこいい!〉

 

【64:25】3rdアルバム「履歴」について

〈放送時点では未配信でしたが、現在は公開されています。〉

「デートコース」以外の曲を集めたもの。悪く言えば寄せ集め、手抜きとすなめりさんは謙遜していたけど、ベスト盤ということで!

クロスフェード動画はこちら。

www.nicovideo.jp

sunameri.bandcamp.com

〈スPが動画を流すはずが、応答なしというトラブル発生、なにしとんねん(;・∀・)〉

 

収録曲の中でヒッキーPが特にぐっときたのが「音楽の時間」という楽曲。

三鷹のおんがくのじかんというライブハウスで、定期的にVOCALOID関連のトークイベントをしているので、つい気になってクリックしたとのこと。

〈「でたらめ音楽教室・課外授業」というイベントです。〉
 

www.nicovideo.jpヒッキーPは「死ぬ前に、音楽の好きな夫婦がベッドしている会話のようなニュアンス」という解釈をしていたようですが……。

 

すなめりさんはボーカロイドにしか歌えない、ボーカロイドが歌う必然性を考えてつくった曲。ボーカロイドは死なないが、作曲者のほうが先に亡くなってしまう、ということを歌った。いままでボーカロイドがなくなる、死んでしまうというものはたくさんあったので、反対の視点で書けたらいいな。」との思いがあったとのこと。

 

ライナーノーツや動画の説明文を読まなければ、普遍的な解釈ができるというヒッキーPの言に対して、すなめりさんは曖昧な表現にして恥ずかしさをごまかしてるので、いろいろな解釈ができるのでは、とのこと。

ヒッキーP「歌詞のバランスも含めて、すなめりさんの楽曲をチェックしてほしい」

 

【78:42】「ゲームオーバーの先で」について

〈歌詞の抽象性とバランス感覚という点で、さらに楽曲を深掘りしていきます。スPがまだ戻ってこないので(#^ω^)〉

 

表示されている文章と異なる歌詞で、一粒で二度美味しいという珍しくもおもしろい試みがされています。ショートストーリーとその劇中歌。

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すなめりさんチップチューン使いがち説!ということで、ピコピコ音に引っ張られるかたちで、ゲーム風の演出を取り入れるような動画にできたらいいな、ということで生まれた。ゲームの主人公が死んでしまった後の気持ちを表現したいが、歌詞だけでは伝わりづらいと思い、こういった構成になった。

歌われている歌詞が抽象化されたもので、動画で表示されている文章が主人公の気持ちになっているという二重構造。

〈私も終盤のシンクロするところではっとさせられました!〉

 

【86:50】「臍」について

曲も動画も不思議な感じのこの作品。

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〈子どもの頃の雑誌などに載っていた遊びで、点を順番に繋いでイラストをつくるアレですね。「臍」という漢字に見える、とのことですが、ちょっと難しいかもw〉

すなめりさん、嫌な仕事をしていると動画のアイディアが浮かび、難しい漢字を一筆書きできないかという謎の遊びをし始めたとのこと。臍は一筆書きは無理なので二画になってしまったけど、動脈と静脈のイメージで赤と青にしたとのこと。

 

【93:46】「倦むなら」について

〈ヒッキーPはこの作品は曲だけ聞いて動画を見ておらず、まごついてます。先入観なしで見ていただいたほうがいいかと思いますので、まずは動画をご覧になってくださいませ。〉

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1番で使われた歌詞をバラバラにして、再構成して2番の歌詞をつくりあげるという、これまた手間がかかっているつくり。「あぐむなら」というタイトルでピンときたかたもいるかと思いますが、アナグラムの仕掛けがあります。歌詞作りで休日がつぶれてしまったそうで。

 

【102:00】すなめりさんが影響を受けたアーティストや音楽のルーツについて

音楽にハマっていったのは椎名林檎

椎名林檎 - ギブス - YouTube

最初に買ったCDは宇多田ヒカル

宇多田ヒカル - First Love - YouTube

初めて手にしたCDは、サンタさんにお願いした(!)モーツアルト

ピアノを習っていたため、幼少の頃からクラシック音楽にふれていた。

御尊父がいろんな音楽を聞いていたので、車でかかっている音楽などの影響もある。

 

 

この話を聞き、すなめりさんのポップスの骨格がしっかりしていることが腑に落ちたと、ヒッキーP。

 

他にもPE'Z(ペズ)というジャズバンドに出会ったのも大きい。

PE’Z OFFICIAL CHANNEL - YouTube

PE'Zメンバーのヒイズミマサユ機椎名林檎という、好きな人と好きな人がドッキングした東京事変が結成されるんですね。

 

〈すなめりさん楽曲のコード進行にも影響が垣間見えるとのことですが、音楽に疎い私にはちょっと難しい話です。〉

 

【114:00】動画投稿することのプレッシャーなど

毎回新しいアイディアを詰めて動画投稿しているすなめりさん。

プレッシャーはあるかというヒッキーPの質問に対して、すなめりさんは「こうすれば『すなめりっぽいよな』みたいなものに寄せなきゃかなと思うこともあるが、今は自分がこれをやったらおもしろんじゃないか、というものをシンプルに出せれば思う。気負わずにやれたらな、と。自分自身のことながら、すごいこと考えてるなって驚きながら、楽しくやっています。」との返答。

「仕事で嫌なことがあればあるほど、アイディアが浮かぶ。曲がつまんなくなってきたら、仕事が安定してきたんだな、と思っていただければ。」とすなめりさん。

〈おもしろいアイディアの曲をどんどん聞きたいけど、仕事つらくなって❤ なんてお願いできないじゃないか!できれば楽しく生きたいものです。〉

 

【118:11】3rdアルバムや今後の活動について

〈スPがやっと戻ってきました。何してたんだ(# ゚Д゚)〉

話がきれいにまとまったので、クロスフェード動画を流すことに。

【IA&ONE】履歴【アルバムXFD】 - ニコニコ動画(再掲)

〈このアルバムの中から、リード曲が先日アップされました!〉

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vocaloidではなく、ボカロについての曲を作ってみました。

すなめりです。

vocaloidとボカロは女性アナウンサーと女子アナぐらいの違いがあると思っています。
今回はそれで言えば女子アナについての曲です(それは違う

〈こちらも、いろいろと深読みができそうな感じです。〉

 

「デートコース2」の楽曲で、まだ動画アップがされていないものについて。ただいま製作中のものがある。地道な作業らしいです。3年以内にはあげられたら、とのこと。

 

すなめりさんの創作の4年間の振り返り。初期衝動というか、自分が曲をつくりたいと思った気持ちに向き合えてるという点では、いい意味で変化なくやれている、とのこと。

〈今後の活躍も楽しみですね!〉

 

終わりかけになって、まだ語りたいものがでてきたヒッキーP。

こちらの絵の具とビーカーなどを使った、歌詞表示に凝りまくった理科の実験的な映像もおもしろいです。

www.nicovideo.jp〈これも工作の手間がすごそう。〉

 

最後に「でたらめ音楽教室」の宣伝。

表面的な流行とは違う、ディープなボカロシーンを見ることができるイベントらしいです。なんと!ボカロ曲を追う、という追体験ができるそうです(???

 

【まとめ&リンク集】

これで少しでも、すなめりさんの魅力が伝わればいいのですが、いかがでしたか。ぜひぜひ動画にコメントを残したり、Twitterなどで感想をお伝えしてくださいな。

 

文章のまとめかたはもうちょい工夫が必要かも、と反省。果たして次回は本当にあるのかどうか。乞うご期待!

 

すなめりさんのTwitterアカウント すなめり@アルバム&新曲 (@su_nameri) | Twitter

 

bandcamp:現在アルバム3種がダウンロード可能 Music | すなめり

 

 ニコニコ動画 sunameriさんのユーザーページ - niconico(ニコニコ)

 

You Tube すなめり ちゃんねる - YouTube

 

 

文責:Ryuzu りゅ! (@Ryuzu) | Twitter