2018年ボカロ10選 ニコニコ動画って楽しい!
- 【はじめに】
- 1. ポット欲しいけどヤカンで事足りてるから買うに買えないの歌 / ぱん
- 2. うるさいいぬ / ヤギシロ
- 3. 「刺身が食べたい」 / イバケンP
- 4. へんたいわーるど / AbesZ
- 5. 人の頭は割っちゃだめだからスイカ割りしよう / コブマキタロウ
- 6. 仮面授与式 / トアア
- 7. ぽんこつグルーブ初音節 / X-Plorez
- 8. 踊ーるドール / メゾパルサー
- 9. サンデイ / 温泉芸術集団フライングリャマ
- 10. e:chiのズンドコ節 / e:chi
- 【おまけ】
【はじめに】
前回の記事、思いのほか多くの方に読んでいただいたようで、ありがとうございます。
【一部修正】いち視聴者の立場からボカロ系投稿者&リスナーへの ちょっとしたお願い - 140字からの逸脱偏倚
とはいえ、Twitterなどでボカロ関連コミュニティの情報を得ていないと思われる投稿者さんにこそ、気にかけてもらいたいことなんですよね。セルフ1コメとタグづけ。
ニコニコ動画の特徴は動画上を流れるコメントとタグ機能なので、投稿者もリスナーもうまく活用して楽しいニコニコ動画ライフを営んでいきたいものです。
ニコニコ動画は遊び場であり、VOCALOIDは使い手によって形を変えるおもちゃである、というのが私の基本的な考え方です。その作り手さんごとのボカロ像や表現形態の可能性の幅広さを楽しみたい。
とにかく、おもしろい(funny、Interesting、amusing)ことをやっている人が好きなのです。
また、動画製作者だけでなく、視聴者によるコメントやタグづけといった
CGM(Consumer Generated Media)文化の場としてのニコニコ動画が好きなんだなって、改めて思いました。
そんな思いから、今回の10選は2018年投稿作品の中から
ニコニコ動画で見るからこそおもしろい、コメントやタグも作品の一部として楽しめるような動画という基準で選んでみました。
お気に入りの動画を見つけたらぜひ、ニコ動画に飛んでコメントをしたり、マイリストに入れるなどして「参加」してみてくださいね。
他の人の10選
タイトル表記揺れがあるので、全部は補足できていませんが参考までに
今回紹介した動画リスト
2018年ボカロ10選 楽しいニコニコ動画 by Ryuzu - ニコニコ動画
1. ポット欲しいけどヤカンで事足りてるから買うに買えないの歌 / ぱん
コメントでも散見する通り、どこかボカロ初期の雰囲気のような懐かしさを感じる動画です。初期の頃を知らなくても、こういった「ゆるさ」や「遊び心」を感じる動画って、癒やされませんか? いまのボカロ界隈ではガチ曲というか、そのまま一般流通しててもおかしくないようなものも多くありますが、こういうネタ曲があるからこそのニコニコ動画だ!と思うのです。
歌の内容は日常に沿ったもので、言ってしまえば大部分が「どうでもいい」歌詞ですが、そんな個人的な内容をエンタメとして成立させる曲と動画の遊びも楽しい。ツッコミどころがある動画は強いですね。
ラフミクさんが着ているネギの刺さったTシャツがニコニコ市場に貼られるなど、ニコニコ動画ならではの総合的な参加型の遊びの場になっていることにも注目です。
電気ポット売れてる( ゚д゚)
2. うるさいいぬ / ヤギシロ
昨年7月、ボカロの新曲チェックを再開したての頃に出会った動画。第一印象で「こういう変な動画(褒め言葉)つくってくれる人、まだちゃんといたんだ!」と思ったのを覚えています。
ピコピコチップチューンの曲調とゲーム風な動画によって、内容の毒気が薄まってるような逆に強調されているような。こういう趣味的というかむしろ悪趣味な動画に魅力を強く感じます。「謎の中毒性」タグも納得の癖になる曲です。
また、この動画についている「ヘンテコ動画」のタグは変わった作品が多いのでオススメです。
3. 「刺身が食べたい」 / イバケンP
こちらも「ヘンテコ動画」タグつき。
投稿者の説明文に"この作品のコンセプトを、動画で是非ご確認ください。"と書いてあり、なんだろうと思ったら、どーん!
これは音楽の形をとった日記のようなものですね。日常にある些細な幸せを形にして共有する、SNS的な使い方でおもしろいなって思いました。
ボカロの使い手もさまざまな背景を持った人がいる、ということも感じますね。
なお、後日談でこんなオチがついてます。
こんな曲を作ってしまったことをお店の店長に報告しようと思い、今日、刺身を買いにお店に行ったら、何と100円値上げしていた! でもいいんだ。今までありがとう!!【GUMI】「刺身が食べたい」(オリジナル) (3:55) https://t.co/BLnDZNUTpA #sm33169997
— イバケンP (@P46090319) May 7, 2018
動画内でこんなコメントがついてました。
なんとなーく「ふなむしすし」と並べて聴きたくなります。こっちは美味しそうなんだけど
閲覧注意の人類には早すぎると言われる動画なので、自己責任で!
(こちらの作者はマグロジュースさん。2017年投稿)
4. へんたいわーるど / AbesZ
初めてのデートに胸が高鳴るシチュエーションを歌うものは、ラブソングとしてありがちなスタートかな、と思いきや……!まぁ、その前にサムネとタイトルの時点でアレなわけですが。
こちらも「ヘンテコ動画」タグつき。というか今回の10選の多くがヘンテコです。
期待の新人をもじった「期待の変態」なんてタグも。それとリンの将来が不安になる動画とは (リンノショウライガフアンニナルドウガとは) [単語記事] - ニコニコ大百科なんてものもついてます。
ちょっとえっちな内容になってますけど、生々しくなりすぎないのは動画内でボカロキャラが演じてるからかな、と思います。こんなん実写でやったらダメでしょうし。
曲もノリノリで楽しい。
5. 人の頭は割っちゃだめだからスイカ割りしよう / コブマキタロウ
たった46秒の動画ですが、とてもインパクトが強かったので選出してみました。
12月投稿なのに”夏だ!”と言い張る心意気、嫌いじゃない むしろ大好き。作者がいったいどんな気持ちでこれをつくったのかを想像してみるのもおもしろい。まぁ、ネタとして昇華できるってのはいいことですよね。人の頭は割っちゃだめなので。
6. 仮面授与式 / トアア
ヘタウマ系な絵で妙に凝っているPVと、どこかトボけた脱力感がありつつもかっこいい曲調、ちょっと切り込むような歌詞。すべてが絶妙なバランス感覚で成り立っているような作品。
本作が初投稿で、現時点で3作品あるいずれも独特な作風が楽しめます。
トアアさんのユーザーページ - niconico(ニコニコ)
こういった個性的またはアクが強いような作品には「アンダーグラウンドボカロジャパン」のタグがついていることが多いので、ぜひ濃ゆい世界巡りをお楽しみください。
人気の「アンダーグラウンドボカロジャパン」動画 791本 - ニコニコ動画
7. ぽんこつグルーブ初音節 / X-Plorez
懐かしいミク曲をほうふつとさせるようなそんな感じのイメージソング的な何かです。祭りじゃ祭りじゃ!
との投稿者の説明通り、1.で紹介したぱんさんの作品とはまた違った懐かしさを感じるお祭りソング。VOCALOIDがボカロ自身のことを歌う、自己言及的な作品にはVOCALOIDイメージソングというタグがつきます。
VOCALOIDイメージソングとは (ボーカロイドイメージソングとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
でも、ここでの初音ミクは電子の歌姫といった崇高なものではなく、みんなで楽しむための媒体の表象ですね。
時代の寵児としての初音ミク、まだまだ活躍していって欲しいです。
8. 踊ーるドール / メゾパルサー
お次は45秒と短い動画ですので、最初はコメントなしで見て欲しいです。
ニコ動コメントによって、「そういう見方があったのか!」「言われるまで気づかなかった!」といった着眼点のおもしろさを味わえることがあります。本作では、きっと投稿者当人は楽しげなものをつくったはずなのに、深読みコメントがついてますね。そう言われれば、そうかも……と思ったり思わなかったりできる考察もコメントの醍醐味です。
https://twitter.com/MezzoPulsar/status/1075392986416992256
作者のメゾパルサーさんのtweetにもこうありますし、フィードバックとしてのコメントやタグも重要な機能ですね。
コメントやタグで自分の動画のジャンルや全く違った見え方があるということを知れてとても参考になりました。どんどん教えてください。また、どうやって辿り着いてくれたのかわかりませんが、見てくれた方ありがとうございました! https://t.co/pdnF8vPBlQ
— メゾパルサー (@MezzoPulsar) December 19, 2018
https://twitter.com/MezzoPulsar/status/1075392986416992256
9. サンデイ / 温泉芸術集団フライングリャマ
こちらはまずは曲だけで聴きたいところ。
初音ミク以上にいろいろとおもちゃにされてしまった、ビリー・ヘリントンさんのフィギュアを使ったストップモーションPV。というかこれは何をプロモートしようとしているビデオなのか……。さわやかなで渋かっこいい曲なだけに、ギャップに飲まれます。
ニコ動のおもしろさのひとつとして、さまざまなジャンルとのコラボネタが生まれることが挙げられます。特にアニメネタとの親和性は高いので、こういった映像作品が出てくることも楽しめますね。ときに混ぜるな危険も生まれてしまいますが。
10. e:chiのズンドコ節 / e:chi
12月30日に投稿された、これまでの半年間の活動を振り返るもので、3.で紹介したイバケンPとはまた違った意味での「日記」な曲。
ニコニ広告によって、ある程度再生数は伸びつつもマイリスト数が増えないことなども直球の歌詞で赤裸々に歌い上げてます。途中脱線しつつも、ニコニコ動画では投稿者自身も楽しむ気概が必要だというメッセージソングになっています。
こういうのを見ると、作者さんへの反応としてコメントをつけたりマイリストに入れることの大切さを改めて感じます。それとニコニ広告も応援に使えますね。
そういうことで、ニコ動語り多めの10選をやってみました。
みんなで楽しいニコニコ動画ボカロシーンをつくっていけたらいいな。
今回紹介したものは、ツッコミとしてのコメントが楽しめるものを多めに紹介しました。その他にも動画に彩りを加えるコメントアートの文化もありますので、ニコ動ならではの、You Tubeにはない楽しみ方を満喫してほしいです。
【おまけ】
最近のボカロ曲の幅広さをただただ伝えたくて - 140字からの逸脱偏倚
以前この記事で紹介した方々で、記事公開後に投稿のあった作品の中にも今回のテーマ「コメントも含めた動画として楽しい作品」に通じるものがありますので、そちらもぜひチェックしてみてくださいね。
虚無子さん
あらたまいこさん
P OF THE WORLDさん
【一部修正】いち視聴者の立場からボカロ系投稿者&リスナーへの ちょっとしたお願い
【訂正】ニコニコヘルプページに関して、戀塚さんからご指摘いただきました。間違った情報を拡散してしまい、申し訳ございません。(2019/01/07 19:10 追記)
あ、記事中に言及してるヘルプの「投稿動画が検索結果 / 投稿動画一覧にでない」のエントリ、内容が古すぎて今と異なる事が書かれてるので、そのページ自体削除することになったよ(^^;
— Akihiko Koizuka (@koizuka) January 7, 2019
先日NHKで放送された「平成ネット史(仮)」を見て、文化を後世に語り継ぐことの大切さを改めて実感しました。
以前は当たり前だったことが、年を経るにつれ忘れ去られてしまう。大部分は時代の流れとして致し方ないことだと思いますが、残すべきものは残していきたい。
そんなわけで、最近ニコニコ動画で活動しているVOCALOIDやUTAUの動画投稿者&リスナーの方々への昔話も兼ねた、ちょっとした提言をしてみたいな、と思った次第です。ここでいう「昔」とは、ニコ動におけるボカロ黎明期の07年~08年あたりの10年前くらいのことを指します。
何故わざわざ私がこんなことを書くかというと、数年間ニコニコ動画を見ていなかったぶん、変化が目に付きやすい立場にあるからです。
お願いとは言いつつ、まったく強制力はないので「ふーん、こんなこと考えているヤツがいるのかー」くらいに軽い気持ちで受け取ってくださいね。でも賛同してくれたら嬉しい。
主張したいことは以下の2点です。
-
投稿者自身による1コメをしてほしい
最近ボカロ新曲チェックをしていると、コメント0のままマイリストだけが増えている動画が増えた印象があります。昔はたいがい1コメが投稿直後についていたと思うんですが。コメントがまったくついていない動画には、感想も書きにくいんですよ。
なかなかコメントがつかないなーってお悩みの投稿者さん、1コメつけてますか?
昔は「1コメは自分でつけたほうがいい」というコメントを新着動画につけて回ってた人がいたと記憶しています。
あと見てて嫌な思いをしたのは、1コメ目が褒め言葉になっていると「自演乙」なんてその後のコメントで書かれたりすることもしばしばありました。その時の印象から、いまでも私が1コメをつける際は、できるだけニュートラルなコメントをするように心がけています。正直言って、そういうコメを考えるだけで負担になるんですよね。「うぽつ」と気軽に書けない、「GJ」コメが単に好きではないっていう個人的な理由のせいですが。
いまは1コメは他人が入れるのが当たり前みたいな風潮になってるっぽいですが、「違うよ! 1コメを入れるまでが投稿者の仕事だよ!」と言いたくなる古参の私なのです。
ニコ動の予約投稿、ニコレポ、Twitter連携などのシステム実装によって投稿直後に他人の目に触れるようになり、1コメ意識の変化につながったのではないかと推測しています。
昔はボカロ系Twitterユーザーも少なく、自作を知ってほしければ、掲示板などのコミュニティで「自貼り」をするくらいしかなかったので。
自貼りとは (ジバリとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
自貼りをする際には、基本的なタグの整備と1コメを書いておき、見せられる状態を整えておくのが一種の作法だったように思います。
先程から「1コメ」と書いていますが、必ずしも数字の1を入れるわけではなく、自分なりに工夫したコメントをつけるといいと思います。いまはどうなるかわかりませんが、数字の1だと、2、3、4…と延々と続くことが昔は結構あったので、あまりオススメはしません。
私が見た中で数字以外だと「よろしくお願いします」や「聴いてくれてありがとう」だとか、その人なりの毎回の決め台詞的なものなどがありました。絵文字や顔文字も使えるので、言葉以外の表現をするのもありかも。
コメントの使い方は自由ですので、動画についたコメントに対してコメで返信するチャットのように使うのも昔はよく見かけました。末尾に(うp主 ってつけて。
1コメを自分で入れたからって、劇的に再生数やコメントが増えるということはないとは思いますが、少しでも聴かれやすく、コメントしやすい環境つくりの一環にはなるかと思います。
【訂正】いまは仕様が変わっているようです(2019/01/07 19:10 追記)
公式ヘルプページにもこのように書いてありますし、コメントがついていない状態で放置してしまうのはもったいないと思うので、ぜひセルフ1コメを。
投稿動画が検索結果 / 投稿動画一覧にでない | ニコニコヘルプ
投稿動画が検索結果 / 投稿動画一覧にでない場合は、下記の可能性があります。
■コメントがされていない
最初のコメントがされた時点で、新着動画一覧に表示されます。
コメントがされていなくとも検索結果には表示されますが、動画投稿が多い時間帯は、検索結果に表示されるまで時間がかかることがあります。
【訂正ここまで】
【余談】
もともとニコニコ動画は匿名掲示板2ちゃんねる(現5ちゃんねる)のシステムや風習が多く持ち込まれていました。2ちゃんねる自体の説明は下記リンクに任せます(別に読まなくてもOKです)。
2ちゃんねるとは (ニチャンネルとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
2ちゃんねるの歴史とは (ニチャンネルノレキシとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
こちらもニコ動の歴史について触れられているので、お時間があれば。
ニコニコ動画とは (ニコニコドウガとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
ざっくり言えば、スレッドを立てる=動画投稿みたいな感じですね。その際、スレ立てと1コメはセットのものとして考えられていたはずなので、1コメを投稿者自身がするのも当然といった考え方だったと思います。
2ちゃんねるでは新規にコメントのついたスレッドは掲示板の上部に表示されるようになり、目立ちやすくなる仕組みになっています。
このシステムはニコ動にも採用されており、動画の並べ替えでも「コメントが新しい順」がわざわざ用意されています。
ためしに下記リンクをクリックして、VOCALOIDタグの新規コメント順をご覧ください。
人気の「VOCALOID」動画 496,001本 - ニコニコ動画
再生数の多い最近人気の動画ほどコメントが付きやすい傾向がありますが、何度か更新してみると数年前の動画が表示されることも確認できると思います。確率としては微々たるものでしょうが、コメントをつけることで他の人に見てもらえる可能性が増えます。
リスナーの方々、Twitterに感想を書くのも もちろんいいですが、気に入った動画には積極的にニコ動でコメントするのも大切ですよ!
TwitterでURLをつぶやいてる人数>ニコ動のコメント数というのを稀によく見るので。
-
基本的なタグは投稿者自身でつけてほしい
コメント機能の他にニコ動の特徴として挙げられるのは、タグ機能です。これをうまく活用できてない投稿者がいるように見受けられます。
ニコ動のボカロ系のタグの種類はざっと以下のようなものがあります。
- 基本情報
- ジャンル
- テーマ
- 評価
- ネタ、遊び
他にも多数あるため、詳細はこちらを参照。こんなに種類があるんだ!って発見があると思います。
VOCALOID関連のタグ一覧とは (ボーカロイドカンレンノタグイチランとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
これらのうち、基本情報(一般タグ)は、できれば投稿者自身につけてほしいんです。
※たとえば 初音ミクオリジナル曲 タグもありますが、ミクオリジナル曲のほうが主流です。ただ、音源によっては表記のルールが異なる可能性あり。鏡音リン・レンのデュエット曲は 鏡音オリジナル曲 がついたり。
何故わざわざ音源名のタグをつけてほしいかというと、その音源の曲だけは全曲チェックするというファンが各々の音源にいるからです。あとRSSを取得を取得しているTwitterのbotなどにも拾われたりしますので、聴かれる機会がちょっと増えるはずです。
それと、タイトルの付け方がここ数年で変化してきているようです。
【音源名】曲名【オリジナル曲】といったものが昔は主流だった印象ですが、
いまは 曲名 / 音源名 となったり、
または 曲名 / 投稿者名 、
中には 曲名 だけというものまで。
タイトルの付け方も自己表現やセンスのひとつですし、自由にやっていただいていいんですが、シンプルなタイトルにする場合は、せめてタグだけは投稿者自身で整備してくれませんか。
音源の情報が全く書かれていない動画にはタグづけをすることは難しく、聴いてくれるであろう潜在リスナーを逃すことになるかもしれません。そもそも情報がないと、オリジナル曲なのかカバー曲なのかもわかりにくいですし。
ニコニコ動画は楽曲専門の投稿サイトではないので、それなりのルールや文化の文法があるのですよ。タグ機能によってYou Tubeよりボカロ曲を探しやすくなっているので、うまく利用していきましょう。
新着チェックしているとカテゴリタグしかついていないような動画にたくさんぶつかり、一日で数十件の動画のタグ整備した経験から言わせてもらうと、この作業が地味に面倒だしつらい。いくら単語学習で簡単に打ち込めるようにしてあるとはいえ。
他のリスナーさんも、タグのついていない動画を見つけたら、ぜひ気軽に付けてくださいね。
ジャンルタグは慣れないと難しいので、自分の好きな曲調で使われるタグの表記を覚えておいて、他で見つけたときつけていきましょう。
VOCAROCKなどわかりやすいタグに関しては、投稿者自身がつけても構わないと思います。
そんなことでまとめ
- 投稿者自身による1コメの復活を望む
- リスナーも積極的にニコ動にコメントしてほしい
- 基本的なタグづけは投稿時に投稿者がつけたほうが聴かれやすくなる
- リスナーも積極的にタグづけしよう
あれ、最初は2つだけだったはずだけど、まぁいっか。リスナー活動も大切。
「半年ROMれ」と「ggrks」の古き良き習慣が消えてしまったので、こんなことをわざわざ書いてみましたとさ。
最近のボカロ曲の幅広さをただただ伝えたくて
先日話題になった、こちらの曲紹介記事(以下、元記事と称します)を読んで、私も年間総括的なものを書いてみたいなーっと思ったわけです。
元記事で紹介されている動画まとめはこちら。
2018年おすすめボカロリスト by nu - ニコニコ動画
再生数やマイリスト数が充分多いものが挙げられているので、今のニコニコ動画でのボカロメインストリームの雰囲気を感じることができると思います。
それとは違った方向性で、いまのボカロ曲のおもしろさを伝えられたら良いなって思います。
私がボカロ曲を聴くのを再開したのは7月からなので網羅的な曲紹介はできませんので主に今年ニコ動デビューした人の中から、とっても個性を感じる作り手さんを10人ほどピックアップしてみようという企画です。
ランキングなどの数字ではなかなか計れない、ボカロ曲のバリエーションの豊かさを感じてもらえたら幸いです。基本ひとりにつき1曲ずつの紹介ですが、全員マイリス巡回してほしい方々ばかりですので、じっくり楽しんでいただけたらいいな。
先にマイリストにまとめたものを置いておきます。コメントは本記事の一部抜粋です。
2018 最近のボカロ曲の幅広さをただただ伝えたくて by Ryuzu - ニコニコ動画
1. 恋バナ / XKa9Mv6NbmDPAF0G
恋バナなんてタイトルから甘ったるい曲を想像したら大違いの、心をかき乱すような胸を締め付けてくるような、苦しみが伝わってくるような感覚。美しさと狂気が同時に存在しており、聴き手の受け取り方次第で如何様にも変化する曲だと思います。
VOCALOIDの声を重ねたコーラスが印象的で、声を楽器として使うVOCALOIDの特徴がよく現れています。
可能性 by XKa9Mv6NbmDPAF0G - ニコニコ動画
このアカウントでは今年デビューですが、実は複数の名義を使って活動しており、そちらもオススメです。ある程度まとまっているYou Tubeのリンクを貼っておきます。
2. 猫かぶりますた / たみゃう
猫の自由気ままさに振り回されるような、目まぐるしい展開のピアノ曲。かわいらしさと醒めた目で見つめ返してくるような感覚が同居していて、どこか色気を感じます。遊び心たっぷりの歌詞で、特に「ねぇ」とフレーズに込められた意味がさまざまに移り変わるように受け取れるのがおもしろいところだと思います。
いまのところこの一曲しか投稿されていないので、今後が楽しみです。
3. ノイズたちの遊び / Cube(うさぎのきゅーぶ)
曲だけでなく、イラストやアニメーションも含めた世界の作り方がとても印象的なCubeさん。全体的に楽しさが伝わってくるような作風で、見ていてとても心がうきうきしてくるような感じ。
今回紹介の動画も、まさに「遊び」がいっぱいで、かわいらしさと その裏にある不穏さが徐々に出てくる演出がとてもすてきです。
正確には昨年末にニコ動デビューをしているのですが、今年からはVtuberとしての活動も始めており、ますます多才っぷりを発揮しています。ボカロ曲以外の投稿にも凝ったものがあり注目の人です。
ボカロ by Cube(うさぎのきゅーぶ) - ニコニコ動画
4. 暗がりに転んだ夏 / 虚無子
投稿者の説明で「恋愛ゲームとかのOPみたいにしたかったんですけど全然そんな風になりませんでしたね」とありますが、聴いてみて果たしてどのように感じるでしょうか。とてもかわいらしい音使いによって、歌詞に込められた思いがより一層引き立つように思います。ハイハイ♪と入る合いの手が、なんだか無理やり楽しく演じているようで、胸が詰まるようで、切ないのです。
虚無子さんの特徴はなんといってもワードセンスで、日常と非日常の境界にあるような不思議で印象的な言葉遣いの歌を作っています。
このまま年々気は小さくなっていき、最終的に消滅する。 by 虚無子 - ニコニコ動画
5. Typhoon Croquette / あらたまいこ
初音ミクが続いたので、ここらで別のボカロ使いの方も。音街ウナは愛らしさと力強い声のメリハリがあり表現の幅が広いVOCALOIDです。
そんな特徴を活かしている作り手さんのひとりが、あらたまいこさん。今までアップされている曲はどれも雰囲気の違うもので引き出しの多さが読み取れます。
今回紹介の曲は、英語タイトルで一瞬わかりにくいんですが、ネットネタでおなじみの「台風コロッケ」のことですね。コンビニバイトの外国人とのやりとりという日常的な場面をおしゃれに、そしておもしろおかしく歌い上げています。
あらたまいこさんの特徴は、「ご当地ソング」であること。すべての曲に愛知県(特に名古屋)関連の言葉を歌詞に紛れ込ませるというお茶目な遊びが施されています。
どこに名古屋ワードが出てくるかを楽しみながら聴くのも一興かと。
6. BABY&DEVIL / ヒトガタ
今年デビューではないんですが、寡作な方なので今回紹介しておきたい。
ニコニコ動画ならではのおもしろさって、「動画」としてのおもしろみプラス、それにコメントでツッコミながら見られることだと思うんです(護法少女ソワカちゃんがその代表格ですね)。最近のボカロPVはオシャレ傾向のものが多くて、かっこよさやきれいさがもてはやされがちですが、やはり笑えるものはニコニコらしくていいんじゃないかなって。
今回紹介の動画は、曲というよりショートムービーのような作品なので、じっくり見て物語を味わってほしいです。この鬼才あるいは奇才っぷりは2016年の初投稿作でも遺憾なく発揮されていますので、そちらもぜひご覧ください。
7. おいも中毒症候群 / P OF THE WORLD
コメントでツッコミながら見るといえば、この曲も推したい。曲はいいのに歌詞と映像がふざけすぎてて、なんとも言えないおもしろみがあります。おいもが食べたくなる。
他の作品も映像か歌詞のどちらかは遊んでる印象。曲はかっこいい。
特に【初音ミク】てんてーんすてーん【オリジナル曲】 - ニコニコ動画は立ち絵一枚と空耳な歌詞で、なんとなく初期の頃のニコ動のような、懐かしくも新しい雰囲気も感じます。
作品集 by P OF THE WORLD - ニコニコ動画
8. / millestraw
millestrawさんはVOCALOIDではなくUTAU使いですが、広く合成音声ソフトということでここで紹介したい。UTAUはVOCALOID以上に種類があり、中には知らずに聴いたら人と間違えるてしまいそうになるものもありますが、これはあえての「作り物」感がある声質だからこその曲かな、と思います。
意味を押し付けることなく、好きに読み取って良いような自由さを感じます。ずっと浸っていられる音の世界が心地よいです。
Prankster escape from ROOM / 浮遊レイ - ニコニコ動画この動画の説明欄にフリーダウンロードができるEPのリンクがあります。
公開マイリストは作られていないので、タグ検索を代わりにおいておきます。
人気の「millestraw」動画 11本 - ニコニコ動画
9. 十二歳 / ぎすたか
歌愛ユキはボカロ小学生ということで、かわいらしい曲も多いんですが、「歌哀ユキ」のタグがつくような物悲しさを感じさせる声質も持っています。
歌哀ユキとは (カアイユキとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
ぎすたかさんは特に「哀」を感じさせる作風で、この曲も移ろいゆく退廃的な美しさを感じます。感性の反乱βタグが付くのも納得の曲です。
魅入られてしまったら、ぜひ他の曲も。
10. Expiatio / Amalatte.
7月に発売されたVOCALOID5で使えるKenの声は、いままでの男声VOCALOIDと比較すると力強く自然な印象を持ちました。VOCALOIDの進化が見えます。
特にAmalatte.さんのKenの声には独特のセクシーさがあります。曲調や歌詞の世界もすてきな作り手さんです。
ようこそ、私はあまらって。 by Amalatte. - ニコニコ動画
Kenを使用したオリ曲はまだ少ないので、いまなら全部チェックできますね。
無理やり絞って10人にしたので、まだまだ紹介し足らないんですが、ひとまずこんな感じで。少し偏りつつもいろんなボカロ曲を紹介できたんじゃないかな、と思います。
私自身まだまだ知らない曲が多いので(特に上半期)、年末になると10選企画が出てくるのでしょうから、それも楽しみにしています。今回の記事とは別に10選できたらいいな、と。
今回紹介した動画のまとめリスト(再掲)
2018 最近のボカロ曲の幅広さをただただ伝えたくて by Ryuzu - ニコニコ動画
週刊このボカロPがすごい!創刊号は すなめりさん特集!
毎号ついてくるパーツ……はございません(;´Д`)
週刊といいつつ不定期更新になりそうですが、のんびり新企画やってみます。創刊号で廃刊なんてことにはしないように、と。
この辺境ブログに迷い込んだ人の中には、すでにご存知のかたも多いかと思いますが、ヒッキーPとスPというボカロP二人が行っている、ボカロ系の情報を扱ったりする ”ネットラジオ”「ガウンターカルチャー」というYou Tube配信されている番組があります。だいたい毎週土曜の夜、2時間くらい。生放送時はチャットでコメントを送ることもできます。もし聞き逃してもアーカイブが残りますので、いつでもチェックすることができます。
私もその放送を楽しみにしているリスナーのひとりです。
音楽に関して知らないことが多いので放送中で気になった話題に関して、あとで調べものをすることもしばしば。個人用メモとしてリンク集と備忘録という体裁で残していた文章を改稿して、記事として公開してみることにします。
一応、ガウンターカルチャーの放送と併せて読むためのサブテキストを意識していますが、配信を聞く時間を取れないかた用にも、これ単独でも楽しめるような記事を目指します。
今回はすなめりさんゲスト回のまとめ&補足をしながら、その魅力をお伝えできればいいな、と思います。
作品はニコニコ動画のリンクを貼っていきますが、You Tubeでも公開されていますので、お好みでどうぞ。
すなめりさんの動画を一度も見たことないというかたは、これを見ていただければ、その工夫を凝らした洒落っ気が充分感じられるだろうという一作をぺたり。
※お使いのPCは正常ですとは (オツカイノピーシーハセイジョウデスとは) [単語記事] - ニコニコ大百科のタグがついてるとおり、初見でこれを見た人はびっくりするんじゃないかな。
他の作品も気になる!ってかたは、そのままマイリスト巡りをしていただくもよし、下記の文章で紹介していく作品を見ていくもよし、です。
ぜひ動画をじっくりとご覧になってくださいな。
ガウンターカルチャー本編(2018/09/01配信)
※トラブルにより開始時間が遅れたので、スタートした07:15に合わせたリンクを貼っておきます。
【ゲスト : すなめり】ガウンターカルチャー 第14回 - YouTube
ヒッキーP「ゲストは”すなめり”さんです。今、この方がヒットしていないことはボカロ界の損失です!ぜひ知りましょう。」
配信前のヒッキーPのTwitter上の すなめりさんの紹介文
●”すなめり”さんの魅力!!!
— ヒッキーP(大高丈宙) (@hikkiep) September 1, 2018
・しっかりと地に根を張ったポップスの骨格を持っていながら、アレンジ・展開・コード・メロディーに大胆なフックが利いている
・音の数が少ないのに、それが完成形だと思わせる過不足のなさ
・人生の儚さを漂わせる、侘しい邦画のような歌詞
●”すなめり”さんの魅力!!!(追加)
— ヒッキーP(大高丈宙) (@hikkiep) September 1, 2018
・ギミックを凝らした動画演出。1つ1つ個性的で手間がかかっている!
以下、 〈〉で囲んだ部分は私の感想やツッコミです。
〈私からもすなめりさんの魅力を語るならば、「遊び心」が感じられるところかな、と。特に毎回さまざまな違った形で見せてくる動画表現がとても楽しい。それとたまにちょっとした「毒」が入ってるところもツボです。〉
タイムテーブルインデックス
- 【07:15】バタバタのスタート
- 【10:55】ヒッキーP合流
- 【16:50】すなめりさんの作品の魅力について
- 【21:10】VOCALOIDとの出会い、作曲活動のはじまりについて
- 【25:20】楽曲制作プロセスに関して
- 【33:15】スPによる基本事項のテンプレ的な質問コーナー
- 【39:45】動画制作について
- 【51:50】アルバム「デートコース」と「デートコース2」について
- 【64:25】3rdアルバム「履歴」について
- 【78:42】「ゲームオーバーの先で」について
- 【86:50】「臍」について
- 【93:46】「倦むなら」について
- 【102:00】すなめりさんが影響を受けたアーティストや音楽のルーツについて
- 【114:00】動画投稿することのプレッシャーなど
- 【118:11】3rdアルバムや今後の活動について
- 【まとめ&リンク集】
【07:15】バタバタのスタート
マイクトラブルで開始が遅れ、仕方なくヒッキーP抜きでスタート。
スPによる無茶振りな「自己PRを!」に対して、「すごい変な曲とか変な動画を主に作ってます」と返す、すなめりさん。
【10:55】ヒッキーP合流
いままでのガウンターカルチャーでは、ヒッキーPとすでに知り合いの人をゲストに招いていたが、すなめりさんとは初めて話すとのこと。ヒッキーPからのラブコールで実現したようです。
〈熱量が空回りしてる感が伝わってきますw〉
【16:50】すなめりさんの作品の魅力について
ヒッキーPによると、「骨格のしっかりしたポップスなんだけど、一曲一曲にすごくフックがある。かつ、歌詞に現れている死生観みたいなものが感じられる。それによるわびしい世界観ができている。動画がひとつひとつ凝っている。どうやって思いつくんだろうというアイディアと、手間が詰まってるところが魅力。これだけのものを作っているのに、あまり知られていなのが惜しいなという気持ちがある。」とのこと。
〈先程貼った「重たい回線」が現時点での最大のヒット作ですが、それでも2500再生に届いてないくらいなので、たしかにもっと認知されてほしい!〉
【21:10】VOCALOIDとの出会い、作曲活動のはじまりについて
初音ミクという名前は知っていたが、曲を聞くには至らないという時期が長かった。もともとピアノをやっていて、作曲欲はあったが行動には移してはいなかった。
ゲーム音楽が好きで、スクエア・エニックスが出しているトリビュートアルバムに参画しているsasakure.UKさんの曲を気に入り、その活動を調べるうちにVOCALOID楽曲を発表していたことを知った。それが契機となり、自分でもVOCALOIDを使ってオリジナル曲を作ってみようモチベーションができた。
ささくれPとは (ササクレピーとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
〈すなめりさんのゲーム好きな感じは、チップチューンを主体とした曲が多いことや、動画演出からも伝わってきますね。特に「車」、「ゲームオーバーの先で」、「倦むなら」など。〉
【25:20】楽曲制作プロセスに関して
初投稿(2014年04月13日)から間を開けずにアルバムロスフェード動画(2014年04月23日)を投稿していますが、アルバム「デートコース」全曲を同時進行で並行して作っており、「遊園地」の時点で8割方できていたとのこと。
〈ここで、すなめりさんの初投稿作品を。〉
なかなか恋人が出来ないけど
のわり手足の指でも足りない程恋多き人っていますよね。
そんな人の歌です。
〈アルバム「デートコース」は、すなめり自身によるライナーノーツが書かれており、そちらの文章も楽しめますので、ぜひこのマイリストリンク先を見てほしいです。〉
ヒッキーPの褒め褒め「音の数が多くはないけど、無駄や過不足がまったくない、完成度のすごいめちゃくちゃ完成度が高いアルバム。すごいカッコよく、掘りどころがたくさんある。アレンジもしっかりポップスの形なのに、聞いてる側をあっと言わせるようなテンションを上げるような展開が一曲一曲に詰まっている。曲のカラーがそれぞれ違い、カラフルな感じがして本当に音楽面でみてもカッコいいアルバム。」との評に恐縮するすなめりさん(*´ω`*)
歌詞先行で曲作りをしており、「デートコース」というコンセプトを決めて歌詞を全曲分書いていった。歌詞に合わせた展開や曲調を思いついたらすぐ曲を作っていった。そのため、歌詞と曲調が連動したようなつくりになっている。
歌詞は自分の体験を入れてるわけではなく、創作で作っている。
【33:15】スPによる基本事項のテンプレ的な質問コーナー
すなめりさんがVOCALOID IA(イア)を使っている理由は、カゲロウプロジェクトなどで知られるじんさんなどで、聞き馴染みがあったから。
IA -ARIA ON THE PLANETES-とは (イアアリアオンザプラネテスとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
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いまはお仕事が忙しくなってしまい、なかなか時間が取れないが、それでも2、3曲同時進行している。
いままで動画制作の経験はなかった。
【39:45】動画制作について
〈ここで見てほしいのが番組内の話にも出ている「砂漠」。商業PV顔負けのクオリティ&アイディアの創造性!見ていてとても楽しいです。これを全部ひとりで作ってるなんて!〉
出てくる文字は3Dプリンターなどではなく、通常プリンターの印刷を発泡スチロールに転写して手作業で地道に切り抜いてる。
文字と曲のタイミング合わせは、曲を流しながら何度も撮り直しをしたり、早回しなどを使って無理やり同期させた。いままでビデオカメラ撮影の経験もなかった。
〈【IA】公園【オリジナル】 - ニコニコ動画 では手書きアニメーション、【IA】車【オリジナル】 - ニコニコ動画 ではファミコンゲーム風と、それぞれ動画演出の動かしかたのタイプがまったく違ったものになっています。曲ごとの表現したいものに応じて違うことをしており、とてもワクワクさせられます。〉
【51:50】アルバム「デートコース」と「デートコース2」について
「デートコース」は曲の流れを意識して決めてた。
ヒッキーPは映画館の次に砂漠は行かないだろうwとツッコミつつ、「ホテル」で終わっているのがオチがついていていいとのこと。
bandcampであげられている2枚めのアルバム「デートコース2」では先にタイトルの順番をきめた。
〈ニコニコ動画であげられていない曲がたくさんあるので、こちらも要チェックです。〉
こちらの曲順「ゆりかご」から「地獄」に行くという一種の悪意感があるのは、1枚めを踏襲してとのこと。
「デートコース2」は音の動きが派手になっている曲が多い印象、とヒッキーP。
こちらのアルバムではONE(オネ)という音声ソフトが使われいる。
ONE -ARIA ON THE PLANETES-とは (オネアリアオンザプラネテスとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
ONEは流暢に喋らせることができるので、ポエトリーリーディング曲もつくった。
当時聞いていた、小林大吾さんの影響もあるとのこと。
歌詞表記フォーマットが曲ごとに異なることに関して。歌詞を書く時点では音像は浮かんでいないが、いろんなタイプの歌詞を書くことで曲のバリエーションを出せるかな、と考えたとのこと。曰く、文字が音を引っ張ってきてくれる。〈かっこいい!〉
【64:25】3rdアルバム「履歴」について
〈放送時点では未配信でしたが、現在は公開されています。〉
「デートコース」以外の曲を集めたもの。悪く言えば寄せ集め、手抜きとすなめりさんは謙遜していたけど、ベスト盤ということで!
クロスフェード動画はこちら。
〈スPが動画を流すはずが、応答なしというトラブル発生、なにしとんねん(;・∀・)〉
収録曲の中でヒッキーPが特にぐっときたのが「音楽の時間」という楽曲。
三鷹のおんがくのじかんというライブハウスで、定期的にVOCALOID関連のトークイベントをしているので、つい気になってクリックしたとのこと。
www.nicovideo.jpヒッキーPは「死ぬ前に、音楽の好きな夫婦がベッドしている会話のようなニュアンス」という珍解釈をしていたようですが……。
すなめりさんは「ボーカロイドにしか歌えない、ボーカロイドが歌う必然性を考えてつくった曲。ボーカロイドは死なないが、作曲者のほうが先に亡くなってしまう、ということを歌った。いままでボーカロイドがなくなる、死んでしまうというものはたくさんあったので、反対の視点で書けたらいいな。」との思いがあったとのこと。
ライナーノーツや動画の説明文を読まなければ、普遍的な解釈ができるというヒッキーPの言に対して、すなめりさんは曖昧な表現にして恥ずかしさをごまかしてるので、いろいろな解釈ができるのでは、とのこと。
ヒッキーP「歌詞のバランスも含めて、すなめりさんの楽曲をチェックしてほしい」
【78:42】「ゲームオーバーの先で」について
〈歌詞の抽象性とバランス感覚という点で、さらに楽曲を深掘りしていきます。スPがまだ戻ってこないので(#^ω^)〉
表示されている文章と異なる歌詞で、一粒で二度美味しいという珍しくもおもしろい試みがされています。ショートストーリーとその劇中歌。
すなめりさんチップチューン使いがち説!ということで、ピコピコ音に引っ張られるかたちで、ゲーム風の演出を取り入れるような動画にできたらいいな、ということで生まれた。ゲームの主人公が死んでしまった後の気持ちを表現したいが、歌詞だけでは伝わりづらいと思い、こういった構成になった。
歌われている歌詞が抽象化されたもので、動画で表示されている文章が主人公の気持ちになっているという二重構造。
〈私も終盤のシンクロするところではっとさせられました!〉
【86:50】「臍」について
曲も動画も不思議な感じのこの作品。
〈子どもの頃の雑誌などに載っていた遊びで、点を順番に繋いでイラストをつくるアレですね。「臍」という漢字に見える、とのことですが、ちょっと難しいかもw〉
すなめりさん、嫌な仕事をしていると動画のアイディアが浮かび、難しい漢字を一筆書きできないかという謎の遊びをし始めたとのこと。臍は一筆書きは無理なので二画になってしまったけど、動脈と静脈のイメージで赤と青にしたとのこと。
【93:46】「倦むなら」について
〈ヒッキーPはこの作品は曲だけ聞いて動画を見ておらず、まごついてます。先入観なしで見ていただいたほうがいいかと思いますので、まずは動画をご覧になってくださいませ。〉
1番で使われた歌詞をバラバラにして、再構成して2番の歌詞をつくりあげるという、これまた手間がかかっているつくり。「あぐむなら」というタイトルでピンときたかたもいるかと思いますが、アナグラムの仕掛けがあります。歌詞作りで休日がつぶれてしまったそうで。
【102:00】すなめりさんが影響を受けたアーティストや音楽のルーツについて
音楽にハマっていったのは椎名林檎。
最初に買ったCDは宇多田ヒカル。
初めて手にしたCDは、サンタさんにお願いした(!)モーツアルト。
ピアノを習っていたため、幼少の頃からクラシック音楽にふれていた。
御尊父がいろんな音楽を聞いていたので、車でかかっている音楽などの影響もある。
この話を聞き、すなめりさんのポップスの骨格がしっかりしていることが腑に落ちたと、ヒッキーP。
他にもPE'Z(ペズ)というジャズバンドに出会ったのも大きい。
PE’Z OFFICIAL CHANNEL - YouTube
PE'Zメンバーのヒイズミマサユ機と椎名林檎という、好きな人と好きな人がドッキングした東京事変が結成されるんですね。
〈すなめりさん楽曲のコード進行にも影響が垣間見えるとのことですが、音楽に疎い私にはちょっと難しい話です。〉
【114:00】動画投稿することのプレッシャーなど
毎回新しいアイディアを詰めて動画投稿しているすなめりさん。
プレッシャーはあるかというヒッキーPの質問に対して、すなめりさんは「こうすれば『すなめりっぽいよな』みたいなものに寄せなきゃかなと思うこともあるが、今は自分がこれをやったらおもしろんじゃないか、というものをシンプルに出せれば思う。気負わずにやれたらな、と。自分自身のことながら、すごいこと考えてるなって驚きながら、楽しくやっています。」との返答。
「仕事で嫌なことがあればあるほど、アイディアが浮かぶ。曲がつまんなくなってきたら、仕事が安定してきたんだな、と思っていただければ。」とすなめりさん。
〈おもしろいアイディアの曲をどんどん聞きたいけど、仕事つらくなって❤ なんてお願いできないじゃないか!できれば楽しく生きたいものです。〉
【118:11】3rdアルバムや今後の活動について
〈スPがやっと戻ってきました。何してたんだ(# ゚Д゚)〉
話がきれいにまとまったので、クロスフェード動画を流すことに。
【IA&ONE】履歴【アルバムXFD】 - ニコニコ動画(再掲)
〈このアルバムの中から、リード曲が先日アップされました!〉
vocaloidではなく、ボカロについての曲を作ってみました。
すなめりです。
vocaloidとボカロは女性アナウンサーと女子アナぐらいの違いがあると思っています。
今回はそれで言えば女子アナについての曲です(それは違う
〈こちらも、いろいろと深読みができそうな感じです。〉
「デートコース2」の楽曲で、まだ動画アップがされていないものについて。ただいま製作中のものがある。地道な作業らしいです。3年以内にはあげられたら、とのこと。
すなめりさんの創作の4年間の振り返り。初期衝動というか、自分が曲をつくりたいと思った気持ちに向き合えてるという点では、いい意味で変化なくやれている、とのこと。
〈今後の活躍も楽しみですね!〉
終わりかけになって、まだ語りたいものがでてきたヒッキーP。
こちらの絵の具とビーカーなどを使った、歌詞表示に凝りまくった理科の実験的な映像もおもしろいです。
www.nicovideo.jp〈これも工作の手間がすごそう。〉
最後に「でたらめ音楽教室」の宣伝。
表面的な流行とは違う、ディープなボカロシーンを見ることができるイベントらしいです。なんと!ボカロ曲を追う、という追体験ができるそうです(???
【まとめ&リンク集】
これで少しでも、すなめりさんの魅力が伝わればいいのですが、いかがでしたか。ぜひぜひ動画にコメントを残したり、Twitterなどで感想をお伝えしてくださいな。
文章のまとめかたはもうちょい工夫が必要かも、と反省。果たして次回は本当にあるのかどうか。乞うご期待!
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bandcamp:現在アルバム3種がダウンロード可能 Music | すなめり
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